乾物屋のこだわり-旨味を極める①　一本釣り

鰹漁には、巻き網漁と一本釣り漁の二種類の獲り方があります。

鰹は常に集団行動をとっている回遊魚のため、巻き網漁で獲った方が漁の効率は良いのですが、鰹は網の中でもがき苦しみ、ストレスを受けた状態で水揚げされてしまいます。
傷ついたり身割れしたものもあり、血が全体に回ってしまい、鰹節にしたときには雑味が多くなるといわれます。

一方、一本釣りの場合は文字通り一尾ずつ釣り上げるので、魚体がきれいで身もしっかりしており、鰹節に加工すると、「澄んだ上品なだし」が取れます。
しかし、漁獲量が少なく、市場の取引相場でも一本釣りの鰹の方が高値で取引されます。

当社の鰹節には、この貴重な一本釣り鰹を原材料に使用しています。

乾物屋のこだわり-旨味を極める②　手火山(てびやま)式製法

「手火山式」製法とは、静岡で昔から伝わる焙乾（薪を燃やして鰹を燻す）方法のことです。
手で熱をはかり火を調整していく事から、「手火山」の名前が付いたと言われています。

かつお節独特の香りと味をつくりだすには、手火山式が一番であると昔から言われてきました。
当社の鰹節は手火山方式による焙煎炉で燻製し、特別に通常より火入れを1回～2回多く繰り返し、香り高い鰹の風味をより引き出しております。

また、削り加工は節のうまみを逃がさぬよう、徹底した温度管理の下、遠赤外線焼軟機による水分調整しております。これにより鰹の上品な香りとうまみを引き出し、生臭さのない澄んだだしを引くことができます。

乾物屋のこだわり-旨味を極める③　本枯節(ほんかれぶし)

焙乾した後にカビ付けを繰り返してつくった鰹節を「本枯節」と呼びます。
回数が多いほど高級品と呼ばれ、完成まで最低半年以上はかかるといわれております。

当社の「枯本節花けずり」は、節全体にバランスよくカビがつくようにしています。
花かつおなどに多く使われる「荒節」(カビ付けをしていない鰹節のこと)より硬いため、削ると細かくなりますが、強い香りと旨味をお楽しみいただけます。